ワカンの選び方

いつもオクトスブログをご覧いただきまして、
まことにありがとうございます。

今回は「ワカンの選び方について」ご紹介させていただきます。

ワカンには、フレーム(輪っか)のタイプや固定方法のタイプ、
サイズが存在します。

「一体、どれを選んで良いのか...わかりませんよね(*'▽')」
「ご不明な点を紐解いていきましょう(*´▽`*)」

恐縮ながら、弊社製品も紹介させていただきます( ;∀;)

◇目次◇

 

1.ワカンの種類

2.メーカー別の特徴

3.まとめ

 

1.ワカンの種類

フレームタイプ

【フラットタイプ】

【ベントタイプ】

 

固定方法タイプ

【ベルト式】

 

【ラチェット式】

 

ワカンの種類

「ワカン」は、各メーカーから様々なタイプの製品が
販売されております。
どのようなタイプのワカンがあるのか紹介していきます。

フレーム(輪っか)には「フラットタイプ」「ベントタイプ」の
2種類存在します。

・フラットタイプ
フレーム(輪っか)に反りがないもの
爪を上に向けて裏返しにすることで、
アイゼンとの併用が可能です。
アイスバーンとフカフカの雪がミックスされた場面では、
アイゼン装着が安全です。
アイゼンとワカンを同時に併用できるので、
付け替える手間を省けます。

・ベントタイプ
フレーム(輪っか)のつま先側が反っているもの
傾斜のある雪道では、雪などが引っかかりラッセル歩行には
体力を消耗してしまいます。
フレーム先端が反っているベントタイプは、
雪に引っ掛かりにくく体力消耗を軽減します。
しかし、アイゼン装着が必要な場合は、
ワカンからアイゼンに履き替える必要があります。

固定方法には「ベルト式タイプ」「ラチェット式タイプ」の
2種類存在します。

・ベルト式タイプ
アイゼンのようにナイロンテープを足の甲、足首、かかとと
交差させて固定する方法。
一般的なワカンはベルト式タイプです。

・ラチェット式タイプ 
プラスチック製のギザギザ(歯車のようなもの)ベルトを
バックルに通して好みの位置で歯車をかませて固定する方法。
着脱は容易ですが、他ワカンに比べると価格が高くなります。

各メーカーから販売されているワカンは
以下の3タイプになります。

1.フレーム(フラット)+固定方法(ベルト式)
〈取り扱いメーカー〉
・EXPERT OF JAPAN(エキスパートオブジャパン) 
・MAGIC MOUNTAIN(マジックマウンテン)
・AIR MONTE(エアモンテ)
・oxtos(オクトス)


2.フレーム(フラット)+固定方法(ラチェット式)
<取り扱いメーカー>
oxtos(オクトス)


3.フレーム(ベント)+固定方法(ベルト)
<取り扱いメーカー>
・EXPERT OF JAPAN(エキスパートオブジャパン) 
・MAGIC MOUNTAIN(マジックマウンテン)


以下、2社のワカンにはフレームの大きさ(全長)の
サイズ展開があります。

・EXPERT OF JAPAN(エキスパートオブジャパン)
・MAGIC MOUNTAIN(マジックマウンテン)

 

2.メーカー別の特徴

【エキスパートオブジャパン】

【マジックマウンテン】

【エアモンテ】

【オクトス】

 

 

メーカー別の特徴

・EXPERT OF JAPAN(エキスパートオブジャパン)
唯一の国産メーカー。

ワカンといえば「エキスパートオブジャパン」といっても
過言ではないほどの国内シェアを誇っている
安心の国内メーカーです。

「フラットタイプ」「ベントタイプ」の2種類に加え、
「Mサイズ」「Lサイズ」とフレーム全長の異なる
2つのサイズ展開がございます。

フレームのアルミには、腐食・雪付着防止のメッキ加工は
施されておりませんが、他社メーカー品から比べると
重量は軽く、長時間の歩行に最適です。

HS(ハイスペックモデル)には、爪とデッキベルトの間に
プロテクターリングが備わっており、摩耗による消耗が
激しくなる箇所を保護しております。

消耗パーツ(テープやデッキベルト)の交換は、
ご自身で取り替えが可能です。
※爪はリベット打ちされている為、
メーカーでの修理対応となります。

・MAGIC MOUNTAIN(マジックマウンテン)
他社メーカーと比べて安価な価格設定でサイズや
フレームタイプのバリエーションが豊富です。

フラットタイプには、通常のナイロンテープ仕様と
雪付着防止のデッキベルトが備わった仕様の2種類ございます。

ベントタイプには「Mサイズ」「Lサイズ」とフレームの全長が
異なる2つのサイズ展開がございます。

 フレームのアルミには、腐食防止のメッキ加工を施し、 
雪が付着しにくくなっており、各消耗パーツを含め、 
全てのパーツをご自身で取り替え可能な仕様となっております。

・AIR MONTE(エアモンテ)
他社メーカーと比べて全長がやや短くスリムな分、
他社メーカー品より歩きやすく作られております。

展開は「フラットタイプ」「ベルト式」「フリーサイズ」の
1種類のみとなります。

前後の滑り防止の第2の爪が付いているのが特徴です。

爪を上に向けてフレームを裏返しにすることで、
アイゼンとの併用が可能です。 

フレームのアルミには、腐食防止のメッキ加工が施されており、
雪が付着しにくく、見た目にもきれいな作りになっております。

消耗パーツ(テープやデッキベルト)の交換は、
ご自身で取り替え可能です。
※爪はリベット打ちされている為、
メーカーでの修理対応となります。

・oxtos(オクトス)
他社メーカーには無い、独自の「ラチェット式ワカン」を
リリースしております。
※実用新案登録済み 第3203526号、第3203527号

フレームは「フラットタイプ」のみ。
固定方法は「ラチェット式タイプ」「ベルト式タイプ」の
2種類用意しております。
サイズは「フリーサイズ」のみ。

着脱が容易に行えるラチェット式を採用。
独自開発のデッキベルト、連結部のテープにより、
ベルト式よりもガッチリと固定が可能で歩行時の
緩みや脱落の心配がありません。

フレームの連結部には、補強の中芯(パイプ)を入れ、
強度不足を解消しております。

しかし、他社メーカー品から比べるとやや重量は重くなります。

爪を上に向けてフレームを裏返しにすることで、
アイゼンとの併用が可能ですが、
デッキベルトに固定金具が備わっている為、
容易に取り付け直すことが出来ません。
デッキベルトおよびテープを外し、付け直す必要があり、
現実的に他メーカーのフラットタイプのような使用は
出来ません。

フレームのアルミには、腐食防止のメッキ加工を施し、
雪が付着しにくくなっており、各消耗パーツを含め、
全パーツ、ご自身で取替可能な仕様となっております。

3.まとめ

まとめ

各メーカー、それぞれ特性を活かしたワカンが作られており、 
それぞれの性能や特性を理解したうえで、 
用途に合ったワカンを選ぶ必要があります。
 
フラットタイプであれば、アイゼンとの併用が可能ですが、 
併用が必要となる状況(稜線で雪が風で飛ばされた雪面や
吹き溜まりになった深い雪が交互に現れるような場所)では 
履き替えの必要がなくスムーズとなります。
 
しかし、そのような場面は数少ないと思われますし、
岩が露出していればワカンは外さなければなりません。
私の経験からですが、併用して使ったことはありません。

ラチェット式のワカンは以前から不便に感じていた装着時に 
手袋をはめた状態で屈む体勢が加齢と共に辛くなって来た事と 
従来のデッキベルトに固定されていないベルトでは横方向に 
ズレが生じていた為、両方を解消できるものとして 
製品化しました。 

ベントタイプであれば、フレーム先端が反っている分、
歩行しやすくなりますが、その分浮力はフラットタイプに比べ、 
劣ります。 また、湾曲部はアルミを伸ばして曲げておりますので、 
湾曲部のアルミは必然的に薄くなり、 少なからず強度が落ちます。 
サイズ展開に関しては、フレーム全長(サイズ)が長くなるほど 
浮力が上がります。
 
しかし、サイズが大きくなれば重量が嵩みます。 
固定方法に関しては、ラチェット式の方が簡易に着脱が可能で 
横ズレや脱落の心配はありませんが、 
その分、パーツ重量(全体重量)が嵩みます。 

それぞれ「メリット/デメリット」があり、
選択にあたり、 取捨選択する必要があります。 
ご自身に何が一番必要で何を我慢できるか... という結論になります。 

曖昧な結論となってしまい、恐縮ではございますが、 
ワカン選びの一助となれば、幸いでございます。


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ライタープロフィール
林 郁範 (はやし ふみのり)
株式会社 オクトス 代表取締役

北海道に生まれ、高校から山岳部に入部し、
大学でも山岳部に在籍。
登山用品販売会社でザックやテントなどの製造に
携わり、1999年にオクトスを創業。
自分がほしいものを作っているだけ。
同じようにほしいと思ってくれる人がいるはず。